ある時、「１週間程、姿が見えない人がる。心配なので調べに行ってくれないか。」との依頼があり、その方の部屋に向かいました。入り口には、親戚、友人、町内会の人など、待っていてくださいました。早速、カギの掛かったドアをスムーズに開け、中に入れるようにしましたが、先頭に立って入る方がどなたもいらっしゃらない・・・。仕方がないので、一番の怖がりの私が先頭で、中に入りました。

　 一番目の部屋、二番目の部屋・・・と、心臓が止まる思いで開けてみると・・・耳のところまで布団をかぶり、ややこちらを向いたご本人が横たわっていました。「あ〜〜。だめだったか〜〜。」と、どなたかが言うと、ぞろぞろと、その他の方たちが部屋に入ってこられました。

　 「電話して！！」という声に私は半身になりながら、屈んで電話を取り出しました。その時！！死んだと思ったご本人が、ふら〜〜ふら〜〜むく〜〜むく〜〜と、起き上がり、幽霊のような声で、「だ〜あ〜れ〜〜え〜〜」といいました。

　 皆さんがその声にビックリし、「わっわっ〜〜」と全員があの狭いマンションのドアから、一人残らず階段の所まで逃げ出してしまい、カーテンが閉められた薄暗い部屋の中に、私とご本人が取り残されました。しばらくすると、それぞれの人がそれなりの強がりを言いながら戻ってきて、この現場はまるく収まり、めでたし、めでたしでした。

・・・・この次は、夫の浮気現場です。